症状・検査の理解
腕が上がりにくいときは、五十肩(凍結肩)かどうか確認しましょう
肩が硬くなる理由、腱板断裂との違い、痛みに合わせて動きを取り戻す方法を説明します。

要点
- 肩の硬さと筋力を合わせて確認し、五十肩と腱の損傷を区別します。
- 肩は無理のない範囲で動かし、運動後の痛みに合わせて負荷を調整します。
- 回復にかかる期間だけでなく、睡眠や日常の動作がどう変わったかも確認します。
肩が硬くなり、腕を上げにくいときは、まず動きが制限されている理由を確認しましょう。五十肩では、痛みを抑えながら肩を動かせる範囲を少しずつ取り戻すことが治療の基本です。
肩が硬くなったときに確認する三つのこと
どこが痛みますか?
肩の周囲の痛みや夜間の痛みだけで、原因を決めることはできません。
支えて動かしても硬いですか?
自分で動かす場合と、支えてもらって動かす場合の範囲を比べます。
けがの後に力が落ちましたか?
けがの直後に腕を上げられなくなった場合は、先に損傷の有無を確認します。
肩の痛み、動かせる範囲、けがの後の筋力低下を比べる説明
五十肩は、肩の関節を包む膜が硬くなる病気です
肩の関節は、薄く柔軟な関節包という膜で包まれています。五十肩ではこの膜が厚くなり、張りつめることで、腕を上げたり外側に回したりする動きが難しくなります。髪を洗う、服を着る、後ろのポケットに手を入れるといった動作が不便になることもあります。40〜60代によくみられますが、年齢だけで診断するわけではありません。糖尿病や甲状腺の病気がある方、けがの後に肩を長く動かせなかった方にも起こることがあります。
診察では、ご自身で腕を動かせる範囲と、医療者が腕を支えて動かしたときの範囲を比べます。五十肩では、この両方が狭くなることが重要な特徴です。腕が上がらない原因がすべて五十肩とは限りません。腱の損傷、関節症、首から腕に向かう神経の問題などでも肩が痛くなるため、痛む場所、筋力、動きを合わせて確認します。
夜に痛むという症状だけでは、腱の断裂と区別できません
五十肩でも腱板断裂でも、夜に痛んだり、痛む側を下にして横になるとつらくなったりすることがあります。腱板は、腕を上げたり回したりするために必要な腱です。断裂があると、腕を上げる力が弱くなる場合が多くあります。五十肩では筋力低下よりも関節の硬さが目立つことがありますが、痛みのために力を出せない場合もあり、一つの症状だけで判断することはできません。
特に、転倒したり重い物を持ったりした後に、急に腕を上げられなくなった場合は、早めに受診して腱の断裂や骨折の有無を確認してください。強く引っ張るストレッチから始める状態ではない可能性があります。五十肩は診察で判断できる場合が多く、すべての方にMRIが必要なわけではありません。X線で関節症などを確認し、腱の損傷が疑われるときには超音波やMRIを追加します。
痛みが強い時期はやさしく動かし、回復に合わせて範囲を広げます
痛みが強い時期は、肩を無理に最後まで押し上げるのではなく、無理のない範囲でゆっくり動かします。まったく動かさないことも、肩の硬さを悪化させる原因になり得ます。医療者や運動療法の専門家から教わった動きを繰り返し、運動直後だけでなく、その夜の痛みも確認してください。運動後に痛みが明らかに強くなる場合は、動かす範囲と負荷を減らして調整します。
反対の手で痛む腕を支えて上げたり、腕を楽に垂らしてやさしく動かしたりする方法があります。どの動きをどの程度行うかは、今の痛みや動かしにくい方向によって異なります。薬や関節内注射で痛みを抑えることで、運動を続けやすくなる場合もあります。糖尿病がある方は血糖管理も行い、注射を検討する際には、糖尿病があることと服用中の薬を医療者に伝えてください。
痛みの改善と動きの回復を、それぞれ確認します
五十肩は、痛みが増して肩が硬くなる時期、硬さが残る時期、動きが少しずつ戻る時期に分けて説明されます。ただし、すべての方が同じ順序や速さで回復するわけではありません。痛みが減っても腕を回しにくい場合は、動かせる範囲を取り戻す治療を続ける必要があるかもしれません。反対に、動きが少し広がっても夜間の痛みが続く場合は、運動量と痛みの治療を見直します。
回復には数か月から数年かかることがあり、AAOSの患者向け資料では、完全な回復まで最長3年かかる場合があると説明されています。この間、ただ待つという意味ではありません。着替えや洗顔など、不便だった動作を目安に変化を確認し、治療を調整します。十分に治療しても日常生活の制限が大きい場合は、関節包を広げる処置や手術が必要かどうか相談します。受診前に、どの方向へ腕を動かしにくいか、夜に何回目が覚めるか、生活で最も困る動作は何かを書き留めてみてください。肩が少し動くようになることと、実際に服を着やすくなることは、別々に確認できます。こうした変化を記録すると治療目標を具体的に決めやすくなり、次の診察で運動の負荷を調整する際にも役立ちます。
よくある質問
痛くても強く伸ばせば、早く治りますか?
強く引っ張ることが、いつも役立つわけではありません。特に痛みが強い時期はやさしい動きから始め、運動後に痛みが強くなる場合は、動かす範囲と負荷を調整してください。
五十肩の診断にはMRIが必ず必要ですか?
診察で動きを確認することが基本です。関節症や腱の損傷など、ほかの原因が疑われる場合は、X線、超音波、MRIから必要な検査を選んで行います。
五十肩は、待っていれば自然に良くなりますか?
時間とともに改善することは多いものの、回復に長くかかる場合があります。痛みや生活の制限を減らし、動きを取り戻すために、治療を続けることをお勧めします。
根拠と参考資料
01早めに受診すべき症状
以下の症状は、それぞれ単独でも受診の目安になります。一つでも当てはまれば、該当する方法で受診してください。
救急外来・韓国では119番
- 突然の息切れや胸痛、強いふらつき、意識消失があれば、直ちに119番へ連絡してください。ふくらはぎの腫れがなくても待たないでください。
- 突然、脚に全く体重をかけられなくなった、けがの後に膝が急激に大きく腫れた・形が変わった場合は、すぐ救急外来を受診してください。けがをした側の足が冷たい・感覚が鈍い場合も、直ちに診察を受けてください。
- 熱をもって腫れた関節が強く痛み、高熱・悪寒、意識の変化、体重をかけられない状態がある場合は、救急外来を受診してください。
- 腰や脚の痛みがあり、新たに尿が出ない、排尿・排便をコントロールできない、会陰部や肛門周囲の感覚が鈍くなった場合は、直ちに救急外来を受診してください。両脚の筋力や感覚が著しく低下したり、急速に悪化した場合もすぐに診察を受けてください。
当日中に受診
- 関節が新たに熱をもって腫れる、突然強く痛む、膝が引っかかって伸ばせない場合は、当日中に受診してください。発熱がなくても関節感染は起こります。
- 片側のふくらはぎが新たに腫れる・痛む場合は、血栓の可能性について当日中に診察を受けてください。息切れや胸痛が出たら直ちに119番へ連絡してください。
- 成長期の子どもの強い膝痛や新たな跛行は、大腿骨頭すべり症など、股関節の病気が原因のことがあります。歩行や運動をやめ、当日中に受診してください。体重をかけられなければ直ちに救急外来へ行ってください。
- ランナーに新たな鼠径部痛が繰り返す、歩行時・夜間にも痛む、跛行がある場合は、走るのをやめて当日中に受診してください。大腿骨頸部疲労骨折の確認が必要です。診察までは痛む脚に体重をかけないでください。体重をかけられなければ救急外来へ行ってください。
外来を予約
- 上記の緊急症状がなくても、痛みが数週間続く、腫れを繰り返す、日常生活や運動の範囲が狭くなる場合は、外来で原因と治療計画を確認してください。