体重の話を聞くと、減量しなければ治療を受けられないと感じるかもしれません。そのための条件ではありません。過体重や肥満では膝の負担と症状の軽減に役立つ可能性があります。痛みで動けない人に減量だけを繰り返すのではなく、方法と支援を一緒に考えます。
体重は、なぜ膝に関係するのでしょうか?
膝は立位・歩行で荷重を受け、減量は負担軽減を助けます。OAは単純な軟骨摩耗だけでなく体重関連の機序も研究されています。体重だけで痛みは説明できず、構造・筋力・他疾患・活動も見ます。正常体重でもOAが生じ、体重の大きい人でも別の疼痛原因を確認します。
どのくらい体重を減らすとよいのでしょうか?
万人共通の体重目標はありません。開始体重・健康・食事・活動から持続可能な目標を立てます。過体重・肥満の減量は痛み・機能・生活の質を助け得ますが効果は個人差がありOA消失ではありません。歩行時間・立ち上がり・外出後の不便も体重と確認します。
早く減量するほうがよいのでしょうか?
食事を減らし過ぎると、体重とともに筋肉と体力も落ちることがあります。高齢者やすでに十分食べられていない人では特に注意します。栄養を保ちながら食事と活動を調整し、膝に合う筋力運動も含めます。病気や薬で計画が難しい場合は栄養相談を利用し、生活で動く力を維持します。
膝が痛くて運動できないときは、どうしましょうか?
減量を運動だけに頼る必要はありません。食事・活動と痛みの調整を合わせて進めます。長く歩けなければ自転車や水中運動を検討し、反応に合わせます。痛みで運動できないことを、治療を受けられない理由にしてはいけません。痛みで妨げられる活動を伝え、できる動きを探すところから始めます。
関節によいとされる食品やサプリメントはどうでしょうか?
特定の食品やサプリで摩耗した軟骨が再生すると期待するのは難しいことです。他人の改善経験が自分の関節にも当てはまるとは限らず、楽になることと構造的進行を遅らせることは別の主張です。食事と運動を基本にし、製品名を医療者に伝えて相互作用・副作用を確認します。追加する前に期待を整理しましょう。
体重が多いと、手術の相談も延期するべきでしょうか?
体重だけで手術相談から除外することはできません。症状、生活の制限、治療反応、全身健康をともに評価します。一方、肥満は創傷治癒や感染のリスクを高める場合があり、血糖、栄養、喫煙、他の病気も事前に確認します。目標体重だけでなく、管理の理由、受けられる支援、再評価時期を相談します。
体重が多い場合は、まず5%の減量を目標にしてみましょう
過体重や肥満がある場合は、現在の体重の5%を最初の目標とし、健康状態に合わせて10%まで減量できるか相談してください。たとえば80kgであれば、5%は4kg、10%は8kgです。NICEの指針では、少しの減量でも役立つ可能性があり、10%の減量は5%の減量よりも痛みや機能の改善に有利である可能性があると案内しています。
変形性膝関節症のある過体重・肥満の成人142人を分析した研究では、体重が1kg減ると、歩行の1歩ごとに膝にかかる最大の圧迫力が約4kgの重さに相当する分だけ低下するという関連が認められました。食事の調整と筋力トレーニングを組み合わせてください。高齢の方や筋肉量が少ない方は、体重だけに注目せず、栄養と筋力の維持を優先してください。
