診察室の問いから始めます
医療技術は、診察室で生まれる小さな問いから始まることがあります。以前の画像と今日の画像をもっと簡単に比べられないでしょうか。脚の角度を測る時間が短くなれば、患者さんに説明する時間を増やせないでしょうか。研究で得た結果を次の患者さんの診療でも使えないでしょうか。医師と患者さんが繰り返し感じる不便から、研究の課題を見つけます。コネクティブを立ち上げた背景にも、このような問題意識がありました。臨床経験をもとに必要なものを見つけ、さまざまな分野の専門家と解決方法を作っています。
繰り返す測定と患者さんへの説明
整形外科では、画像一枚を読むにも複数の過程が必要です。病気の有無を調べ、骨と関節の形を確認し、必要な角度や距離を測ります。手術を検討する場合は、どこをどう矯正するかも計画します。測定方法が同じでも、治療の選択は患者さんごとに異なります。技術が反復作業を助ければ、医師は症状や活動の程度、治療の利点と欠点を話すことに時間を使えます。そのためには、道具が実際の診療の流れに合う必要があります。複雑な画面を何度も切り替えたり結果を手で書き直したりする必要があれば、優れたアルゴリズムでも診察室では使いにくくなります。
論文発表後に必要な現場での検証
論文が発表された後も、するべきことは多くあります。研究データでよく働いた解析法が、別の病院の画像でも働くかを確認します。不自然な結果を医療者が見つけ、修正できる必要もあります。患者情報を安全に扱い、使用目的に必要な医療機器の検証と承認も受けなければなりません。開発者にとって見慣れた表示が、患者さんには難しい場合もあります。見た目のよい画像でも、医師が必要な情報を見つけられなければ役立ちません。現場で使う技術にするには、精度だけでなく使い方と説明方法も点検します。医師、エンジニア、デザイナー、実際の利用者が協力して進める仕事です。
外来、手術、回復をつなぐ
外来で確認した脚のアライメントと関節の状態を手術計画に反映し、実際の手術内容を記録し、その後の回復との関係を調べることも重要な研究の方向です。どの患者さんにどの手術が合うか、計画と結果の違いがどこで生じたかを、より具体的に研究できます。コネクティブでは、ソフトウェアと手術ロボットでこのつながりを実現しようとしています。ただし、情報をつないだことだけで治療成績が改善したとは言えません。データを分析し、実際に患者さんに役立ったかを確かめる研究が必要です。
医師と起業家の役割
医師として患者さんを診ることと、企業を運営することには異なる責任があります。診療では、一人ひとりの状態と選択を丁寧に考えます。企業では、複数の病院で使える製品を作り、維持する必要があります。研究成果を患者さんに生かす過程で二つの役割は出会いますが、製品の説明と治療効果の根拠は分けて伝えます。今できることと、今後検証することも区別します。このホームページでは、何を研究し、どのような結果を得て、診療でどう理解できるかを、論文と患者さん向けの記事でお伝えします。
