薬と注射を理解する
ステロイド注射に期待できること
短期の痛みの軽減と、長期管理の役割を区別します。

要点
- 主な目的は短期の痛みと炎症の調整です。
- 糖尿病、最近の注射、手術予定を伝えます。
- 効果と副作用を確認して反復を判断します。
注射で早く楽になることがありますが、その変化が何を意味するか理解する必要があります。関節内ステロイドは炎症と痛みを抑える治療です。軟骨を作り直す注射や、全員が繰り返す治療ではありません。
ステロイド注射の役割
- 01
先に評価
痛み・腫れの原因と血糖
- 02
短期調整
効果と期間には個人差
- 03
再計画
運動・代替治療・反復を検討
評価、短期調整、再評価の三段階
必要な場合に短期の効果を期待します
他の薬が適さない、十分に効かない、運動のための痛みの調整が必要な場合などに検討できます。先に現在の痛みと腫れの原因を評価します。
NICEでは効果は一般に2〜10週程度の短期と説明しています。全員に同じ期間効く保証ではなく、短い効果やほとんど効果がない場合もあります。
痛みの軽減は関節の修復とは違います
楽になれば、調整した運動や活動を続けやすくなります。ただし軟骨の再生や長期の進行抑制が証明されたという意味ではありません。
急に歩行や運動を大幅に増やさないでください。注射前後の歩行、睡眠、腫れを記録すると効果と次の方針を相談しやすくなります。
血糖と感染を確認します
糖尿病では一時的に血糖が上がることがあるため、測定と薬の管理計画を確認します。抗凝固薬、以前の注射反応、感染の疑い、手術予定も伝えます。
注射後に一時的な不快感があっても、痛み・熱感・腫れが増し続ける、発熱や体調不良がある場合は、施行した医療機関などへ速やかに連絡して診察を受けてください。発熱がなくても感染は否定できません。
繰り返すかは反応と全体計画で決めます
固定の日付で続けるより、前回の効果、副作用、他の治療を比較します。長期間の反復使用では関節組織への懸念も検討します。
手術を考えている場合は、注射の種類と日付を手術チームに伝えます。効かない注射を繰り返すより、診断、運動、薬、手術相談の必要性を再評価します。
人工膝関節の手術前に関節注射を受けてもよいですか?
人工膝関節の手術を予定している場合は、その膝に受けた注射の種類と日付を手術担当の医療者に伝えてください。通常、手術前3か月以内のステロイドやヒアルロン酸の関節注射は避ける方向で相談します。すでに注射を受けた場合も、ご自身で手術を取りやめるのではなく、担当医と手術時期を調整してください。
2019年の研究では、58,337件の人工膝関節手術を分析し、手術前3か月以内に注射を受けた場合、人工関節周囲感染のオッズが高くなっていました。オッズ比はステロイドで1.21、ヒアルロン酸で1.55でした。保険データを用いた観察研究なので、この数字だけで個人の感染確率や因果関係を断定することはできません。
よくある質問
軟骨はよくなりますか?
痛みと炎症は軽くなることがありますが、摩耗した軟骨を作り直す注射ではありません。
血糖は大丈夫ですか?
一時的に上昇することがあります。糖尿病があれば事前に観察と対応を決めます。
どのくらいの間隔で受けますか?
種類、反応、リスク、手術予定によります。共通の反復日程はありません。
根拠と参考資料
01早めに受診すべき症状
以下の症状は、それぞれ単独でも受診の目安になります。一つでも当てはまれば、該当する方法で受診してください。
救急外来・韓国では119番
- 突然の息切れや胸痛、強いふらつき、意識消失があれば、直ちに119番へ連絡してください。ふくらはぎの腫れがなくても待たないでください。
- 突然、脚に全く体重をかけられなくなった、けがの後に膝が急激に大きく腫れた・形が変わった場合は、すぐ救急外来を受診してください。けがをした側の足が冷たい・感覚が鈍い場合も、直ちに診察を受けてください。
- 熱をもって腫れた関節が強く痛み、高熱・悪寒、意識の変化、体重をかけられない状態がある場合は、救急外来を受診してください。
- 腰や脚の痛みがあり、新たに尿が出ない、排尿・排便をコントロールできない、会陰部や肛門周囲の感覚が鈍くなった場合は、直ちに救急外来を受診してください。両脚の筋力や感覚が著しく低下したり、急速に悪化した場合もすぐに診察を受けてください。
当日中に受診
- 関節が新たに熱をもって腫れる、突然強く痛む、膝が引っかかって伸ばせない場合は、当日中に受診してください。発熱がなくても関節感染は起こります。
- 片側のふくらはぎが新たに腫れる・痛む場合は、血栓の可能性について当日中に診察を受けてください。息切れや胸痛が出たら直ちに119番へ連絡してください。
- 成長期の子どもの強い膝痛や新たな跛行は、大腿骨頭すべり症など、股関節の病気が原因のことがあります。歩行や運動をやめ、当日中に受診してください。体重をかけられなければ直ちに救急外来へ行ってください。
- ランナーに新たな鼠径部痛が繰り返す、歩行時・夜間にも痛む、跛行がある場合は、走るのをやめて当日中に受診してください。大腿骨頸部疲労骨折の確認が必要です。診察までは痛む脚に体重をかけないでください。体重をかけられなければ救急外来へ行ってください。
外来を予約
- 上記の緊急症状がなくても、痛みが数週間続く、腫れを繰り返す、日常生活や運動の範囲が狭くなる場合は、外来で原因と治療計画を確認してください。