R.Du Hyun Ro整形外科と研究の話
文字
患者向け資料症状・検査の理解

症状・検査の理解

夜に手がしびれるときは、手根管症候群かどうか確認しましょう

しびれる指の位置と親指の力を確認し、装具・検査・手術の役割を説明します。

要点

  • どの指がしびれるか、夜間の症状、親指の力を合わせて確認します。
  • 軽い症状では、手首をまっすぐに保つ夜間装具と、作業姿勢の調整を試すことができます。
  • 感覚低下が続く場合や親指の筋力が落ちた場合は、神経障害の程度を評価する必要があります。

手がしびれるときは、どの指がしびれるか、夜に強くなるか、親指の力が落ちているかを、まず確認しましょう。手根管症候群はよくある原因ですが、手のしびれがすべて同じ病気とは限りません。

手のしびれで確認する三つのこと

  1. どの指ですか?

    親指・人差し指・中指・薬指の親指側かどうかを確認します。

  2. いつ強くなりますか?

    夜に目が覚めるか、手首を曲げた姿勢で強くなるかを確認します。

  3. 力に変化はありますか?

    親指の力、物を握る力、指先の感覚の変化を確認します。

指ごとの場所、夜間の症状、親指の力を合わせて記録しましょう。

手のしびれる場所、夜に強くなる症状、親指の筋力低下をまとめたチェックリスト

しびれる指の位置が、重要な手がかりになります

手根管症候群は、手首の狭い通り道で正中神経が圧迫される病気です。正中神経は、親指・人差し指・中指・薬指の親指側の感覚や、親指の周囲の筋肉の動きに関わっています。この部分がしびれたり、焼けるように感じたりすることがあります。夜に目が覚め、手を振ると少し楽になることもよくあります。携帯電話を長く持ったり、運転したりするように、手首を同じ姿勢に保つと症状が出ることがあります。

小指側のしびれが主な症状の場合や、首から腕にかけて痛みが続く場合は、ほかの神経の問題も確認する必要があります。糖尿病による神経障害や、首から腕に向かう神経の圧迫なども、手のしびれを起こします。手根管症候群という病名だけですべての症状を説明せず、しびれる場所、持続時間、両手や足の症状、筋力の変化を合わせて確認します。

検査は、症状と診察結果に合わせて選びます

診察では、どの指に症状があるか、いつ強くなるか、物を落としたりボタンを留めにくくなったりしていないかをお聞きします。手の感覚と親指の筋力を確認し、手首の姿勢や圧迫によって症状が変わるかを調べます。一つの検査ですべてが決まるわけではありません。症状と診察から得られた手がかりが、一致しているかが重要です。

診断がはっきりしない場合や、神経障害の程度を確認する必要がある場合は、神経伝導検査や筋電図検査を選んで行います。状況によっては超音波を用いることもあります。AAOSの2024年診療ガイドラインでは、すべての方にこうした検査を一律に行うのではなく、臨床評価を活用できるとしています。MRIは、手根管症候群の診断のために通常行う検査ではありません。

初期には、夜に手首をまっすぐ保つ方法を試します

症状が軽い場合は、夜間に手首を中立の位置に保つ装具を試すことができます。中立の位置とは、手首を前後に曲げず、まっすぐにした姿勢です。装具は神経への圧迫を減らすために役立ちますが、強く締めすぎないようにしてください。手首を長く曲げたり、強く握ったりする作業で症状が強くなる場合は、姿勢と作業時間を調整し、途中で休憩しましょう。

装具の効果は数日で判断せず、数週間にわたる症状の変化をみて評価します。NHSの患者向け資料では、効果を感じるまで最長6週間かかることがあると説明されています。痛み止めは一時的に痛みを減らすことがありますが、神経圧迫の原因を解消する治療とは異なります。注射で症状が減っても再び現れることがあり、AAOSのガイドラインでは、ステロイド注射は長期的な改善効果をもたらさないと説明されています。

力が弱くなったり、感覚の鈍さが続いたりする場合は再評価します

親指の力が落ちて物をよく落とす、しびれが続いて指先の感覚が鈍くなったという場合は、受診を先延ばしにしないことをお勧めします。神経の圧迫が長く続くと、回復しにくい障害が残ることがあります。夜だけだったしびれが日中も続くようになっていないか、手を振っても良くならないか、日常の動作がどう変わったかを記録しておくと、診察に役立ちます。

症状が強い場合や、装具などの非手術治療で十分に改善しない場合は、手術を相談します。手術は、手根管を覆う靱帯を切開し、神経への圧迫を減らす方法です。痛みやしびれが改善する時期は、神経障害の程度によって異なります。長く続いた感覚低下や筋力低下が、すべて元に戻るとは保証できません。治療目標と予想される回復について十分に説明を受けてから決めましょう。受診前には、手の図にしびれる場所を示し、夜に目が覚めるか、どの作業がつらいかを書き留めてください。症状がないときと強いときを比べると、どの姿勢で不便が生じるかを把握しやすくなります。ボタンを留めたり、小さな物をつまんだりする動作が以前より難しくなっていないかも伝えてください。症状が出るたびに同じ場所がしびれるかを確認することも役立ちます。

よくある質問

手のしびれは、すべて手根管症候群ですか?

手根管症候群のほかにも、首での神経圧迫や、ほかの末梢神経の問題など、さまざまな原因があります。しびれる指の位置と、一緒に現れる症状をみて区別します。

装具は一日中着ける必要がありますか?

初期には、睡眠中に手首が曲がらないよう、夜間に使うことが多くあります。日中も必要かどうかは、症状を起こす作業や状態に合わせて決めます。

手術をすれば、すぐに感覚が元に戻りますか?

回復の速さは、神経障害の程度によって異なります。重い障害や長く続いた障害では、感覚や筋力が完全には戻らない場合があるため、手術前に予想される経過を相談します。

根拠と参考資料

01
Carpal Tunnel SyndromeAmerican Academy of Orthopaedic Surgeons
02
Management of Carpal Tunnel Syndrome, 2024American Academy of Orthopaedic Surgeons
03
Carpal tunnel syndromeNHS
04
Pins and needlesNHS

早めに受診すべき症状

以下の症状は、それぞれ単独でも受診の目安になります。一つでも当てはまれば、該当する方法で受診してください。

救急外来・韓国では119番

  • 突然の息切れや胸痛、強いふらつき、意識消失があれば、直ちに119番へ連絡してください。ふくらはぎの腫れがなくても待たないでください。
  • 突然、脚に全く体重をかけられなくなった、けがの後に膝が急激に大きく腫れた・形が変わった場合は、すぐ救急外来を受診してください。けがをした側の足が冷たい・感覚が鈍い場合も、直ちに診察を受けてください。
  • 熱をもって腫れた関節が強く痛み、高熱・悪寒、意識の変化、体重をかけられない状態がある場合は、救急外来を受診してください。
  • 腰や脚の痛みがあり、新たに尿が出ない、排尿・排便をコントロールできない、会陰部や肛門周囲の感覚が鈍くなった場合は、直ちに救急外来を受診してください。両脚の筋力や感覚が著しく低下したり、急速に悪化した場合もすぐに診察を受けてください。

当日中に受診

  • 関節が新たに熱をもって腫れる、突然強く痛む、膝が引っかかって伸ばせない場合は、当日中に受診してください。発熱がなくても関節感染は起こります。
  • 片側のふくらはぎが新たに腫れる・痛む場合は、血栓の可能性について当日中に診察を受けてください。息切れや胸痛が出たら直ちに119番へ連絡してください。
  • 成長期の子どもの強い膝痛や新たな跛行は、大腿骨頭すべり症など、股関節の病気が原因のことがあります。歩行や運動をやめ、当日中に受診してください。体重をかけられなければ直ちに救急外来へ行ってください。
  • ランナーに新たな鼠径部痛が繰り返す、歩行時・夜間にも痛む、跛行がある場合は、走るのをやめて当日中に受診してください。大腿骨頸部疲労骨折の確認が必要です。診察までは痛む脚に体重をかけないでください。体重をかけられなければ救急外来へ行ってください。

外来を予約

  • 上記の緊急症状がなくても、痛みが数週間続く、腫れを繰り返す、日常生活や運動の範囲が狭くなる場合は、外来で原因と治療計画を確認してください。